たまごQ&A

栄養編

Q1 卵は一日何個まで食べても大丈夫ですか?
A:結論的には個数に制限はありませんが、全国鶏卵消費促進協議会では「私がこんなにキレイなのは1日2個のたまごのおかげ」と1日2個を勧めるキャンペーンを実施しています。もしも卵を沢山食べる際は、一日の食事バランスに配慮して野菜も沢山食べることをおすすめします。

Q2 糖尿病と心臓を患っています。コレステロールの数値が上がるので先生から卵を控えるように言われています。卵とコレステロールの関係を教えてください
A:Mサイズ卵1個に235mgのコレステロールが含まれていますが、健康な人が1日2~3個食べてもコレステロール値が上がることはありません。これは卵黄に含まれるリン脂質の一種である卵黄レシチンがコレステロールの量を調整して善玉コレステロールを増やす働きがあるためです。そのほか、卵に含まれる脂肪酸は実験でも証明されていますが、コレステロールを下げる効果のあるオレイン酸が豊富です。日卵協ホームページ「コレステロール」を参考にして下さい。

Q3 平均サイズの卵一個あたりの白身の重さと栄養成分を教えてください
A:殻付鶏卵の卵殻は約10%、卵白部は60%、卵黄部は30%くらいです。規格卵Mを60g/個とすると卵白はおよそ36gです。文部科学省 日本食品分析表2011によれば、栄養成分は水分76.1%、たんぱく質12.3%、脂質10.3% 糖質0.3%、無機質0.5%です。

Q4 乾燥肌で悩んでいます。卵は肌に良いと聞きましたが本当ですか?
A:卵にはコラーゲンを形成する非必須アミノ酸「グリシン」「プロリン」など比較的豊富に含まれているので美肌に良いとされています。

Q5 卵は脳出血の予防に効果がありますか?
A:卵のたんぱく質は血管を強く、しなやかにして血圧の上昇を防ぎ、脳出血の予防に役立ちます。血管を強くするには、コレステロールやリン脂質が必要で、卵にはこれらが含まれています。卵白には、悪玉コレステロールを下げる作用があり、また卵黄に含まれるレシチンは善玉コレステロールを増やす働きがあることがわかってきました。日卵協ホームページ「タマゴ効果」を参考にして下さい。

Q6 卵は肝臓をアルコールから守ってくれますか?
A:疲労やストレスにより肝機能が低下してしまいます。アルコールは肝臓で分解され、アセトアルデヒドになりますが、酸化されて酢酸となり最終的に水と炭酸ガスに分解され、体外へと排出されます。肝機能低下によりアセトアルデヒドの処理ができず、悪酔いや二日酔いに悩まされます。肝臓の解毒作用には、グルタミン酸、システィン、グリシンの3種類のアミノ酸の結合によってできたグルタチオンが活躍します。更にビタミンB群を含む卵料理をつまみにしてお酒を楽しみましょう。

 

品質・保存編

Q1 卵の賞味期限はどれくらいですか?
A:時期により異なりますが、卵の賞味期限は安心して「生食」できる期限を表示しています。サルモネラ菌の増殖が起こらない期間は卵の保存温度によって決まります。英国のハンフリー博士の研究に基づいて算出され、家庭で冷蔵保存する7日間を加えたものです。夏期(7~9月)が産卵後16日以内、春秋期(4~6月、10~11月)が産卵後25日以内、冬季(12~3月)が産卵後57日以内とされています。実状はパック事業者と量販店、バイヤーの話し合いで決めておりパック後2週間(14日)程度を年間を通して賞味期限としている所が多いようです。日卵協ホームページ「表示とタマゴの安心」を参考にして下さい。

Q2 卵は冷凍できますか?
A:殻つきの場合、中身が膨張して卵殻が割れます。卵白は冷凍しても解凍すると水っぽくなるものの下の状態に戻りますが卵黄は固まったままの状態です。殻付卵の冷凍はお勧めできません。殻付卵を割り溶きほぐして冷凍は可能ですが、卵は細菌が繁殖し易いため、家庭での冷凍はあまりお勧めできません。

Q3 賞味期限内の卵を割ってみたら血が混ざっていました。品質に問題はないでしょうか?
A:血が混ざった卵は、鶏に何らかのストレス(大きな音など鶏が驚くようなこと)が一時的に加わった場合に卵巣や輸卵管の毛細血管が破れそこから流れ出たごく少量の血液が卵黄膜に付着してできるものです。食用として血の部分を除いて生食しても問題ありませんがそのままで気持ち悪いようでしたら加熱して食べてください。

Q4 卵の黄身が2個入っていることがありますが「突然変異なのでよくない」と聞き廃棄しました。食べても大丈夫でしょうか?
A:1つの卵の中に卵黄が2個入っている卵を2黄卵といいます。通常は沢山ある卵胞の中の1つだけが破裂して排卵が起きるのですが、産卵開始して間もない鶏では生理機能が確定していない為に2個の卵黄が連続して排卵されそこに卵白分泌部から卵白が分泌され2黄卵として産卵されます。産卵開始後2ヶ月程度で産卵リズムが安定するので徐々に少なくなります。突然変異の心配は無用です。

Q5 ゆで卵を作るときふくらんでいる側に画鋲や安全ピンで穴をあけてから茹でると殻にヒビが入らず剥きやすいと聞きましたが本当ですか?
A:本当です。卵殻膜(卵殻の内側にある膜)と茹で上がった卵白との間に、水が入るため殻がむき易くなると考えられています。

Q6 ゆで卵にしたいとき新しい卵より古い卵のほうが剥きやすいと聞きましたがなぜですか?
A:新しい卵の白身に「炭酸ガス」が多いからです。炭酸ガスが抜けて卵と殻の間に隙間ができる程度の日数(産卵から一週間程度と言われている)がたつと殻はむき易く食感も良くなるといわれています。

Q7 白身が濁っている卵は何ですか?
A:新鮮な卵の卵白には「炭酸ガス」が多く含まれていて白く濁っているように見えます。この炭酸ガスは、時間の経過と共にカラの表面にある気孔から抜けていきます。

Q8 卵の黄身はなぜ黄色いのですか?
A:卵の卵黄脂質中には卵黄カロチノイドがありこの色素(キサントフィル色素)のルティンやゼアキサンチンが多いと黄身が濃くなります。

Q9 黄身の色の濃いほうが栄養価は高いのですか?
A:黄身の色はやや濃い目のほうが人気があり、色の薄い卵黄は栄養分が少ないと誤解している人も少なくありません。この色の濃淡は黄色とうもろこしや乾燥アルファルファ(豆科の牧草)、最近ではパプリカ(赤とうがらし)を配合飼料素材に加える割合によって異なってくるようです。卵黄色の濃淡の違いは直接栄養価には関係ありません。

Q10 卵を保存するときなぜ尖ったほうを下にするのですか?
A:とがった方(鋭部)を下にして保存する理由は2つあります。1つは丸い方(鈍部)よりも鋭部の方が卵殻の強度があること、(卵は通常鋭部から産み落とされますのでこの為強いのかも知れません)。もう1つは鈍部には「気室」がり、こちらを下にすると卵黄と気室内の空気が触れ易くなって細菌が入り込む可能性が高くなるからです。

Q11 夏場に卵を割ったときいつもより水っぽかったので業者に聞いたところ夏場は鶏が水を良く飲むからだということでしたが、そうでしょうか?
A:通常、卵の各部構成比は卵殻部で9~11%、卵白部で60~63%、卵黄部で28~29%といわれています。夏場は飲水量の関係で卵殻の厚さがやや薄くなり卵殻強度が落ちます。季節の他に鶏の年齢や飼育方法等によっても差が生じます。大きい卵ほど水様卵白が多く水っぽく感じられます。

Q12 卵の黄身の横についている白い塊は何ですか?
A:生卵を割ったとき卵黄についている白いひも状のものはカラザ「chalaza」というもので、直訳では「卵帯」です。常に卵黄の位置を一定に保ち、成分はたんぱく質で特に多くのリゾチームが含まれています。このリゾチームは細菌を溶菌する作用があり食品保存に利用されています。

Q13 卵を買ったとき「無洗」と表示してありましたが、卵は洗浄しなくても食品衛生上問題ないのでしょうか?
A:洗ったり布などで拭きますと卵の表面のクチクラ層が剥がれて菌が入りやすくなります。この為食品衛生法では洗卵の時、150ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液又はこれと同等以上の効果を有する殺菌剤を用いるよう指導しています。

Q14 家庭では卵は洗わないほうが良いのですか?
A:現在、卵のほとんどはGPセンター(洗卵選別包装施設)というところでお湯(30℃以上で卵温より5℃以上高いこと)で洗卵してから出荷されています。しかし、汚れが殻の表面に残っていることがあり、それを気にして再度洗う人もいますが、洗うと気孔という殻にある穴から雑菌が水と一緒に卵の中に入ったりしてしまいます。できれば目に付くような汚れは洗わずに拭き取ったほうが鮮度を保てます。

Q15 卵の保存方法で冷蔵庫よりも常温のほうが長持ちすると聞きましたがどちらでしょうか?
A:細菌、特にサルモネラ菌汚染の関係から安定的に10℃以下に保存されていれば長期保存できるという報告があります。一般的な日本人の食生活(生食文化)の観点から冷蔵庫での保存をお薦めします。食品衛生法でも生食用殻付卵は10℃以下で保存することが望ましいと定められています。


Q16 卵は賞味期限を過ぎたら食べられないの?
A:卵の賞味期限は「安心して生食できる」期間です。期限を過ぎた卵は加熱調理(70℃ 1分以上、他の食材と混じる場合は75℃ 1分以上)して食べて下さい。
但し保存(常温保存等)の状態によっては腐敗確認し廃棄した方が安心です。


Q17 ゆで卵の保存方法と賞味期限を教えて下さい。
A:ゆでる条件によって異なり、ゆでた後の保存温度や殻の割れの有無によって異なります。
株式会社 光琳 発行の「卵-その化学と加工技術」によれば、硬くゆでた場合5℃で2~3ヶ月、10℃では3週間、室温(25℃以上)3~7日間程度の期限であるとされています。殻を剥いた場合は殻付きの3分の1から2分の1程度とありますが、家庭では硬くゆでた場合10℃保管で殻にヒビのない場合3~4日、いつヒビが入ったかわからないものは食べるのを控え、殻を剥いたものはその日のうちに食べることをお勧めします。

 

色・形編

Q1 卵の大きさ、重さ(S.M.L)などは規格があるのですか?
A:鶏卵の規格は農林水産省で定めた鶏卵規格取引要綱によって箱詰鶏卵規格10kg、パック詰鶏卵規格10個又は6個詰めのものをいいます。鶏卵の大小は重量で表され種類の表示を補足するための色分けは以下のように 区分されます。

LL 赤色 70g以上 76g未満
L 橙色 64g以上 70g未満
M 緑色 58g以上 64g未満
MS 青色 52g以上 58g未満
S 紫色 46g以上 52g未満
SS 茶色 40g以上 46g未満

但し、最近の販売例では特殊卵(栄養強化卵)など数多くの種類の卵が出回っていますがこれ等上記の重量区分に合っていないミックス卵(MS~LL)などは規格卵とはいえません。また栄養強化卵とは毎日の食事から身体に役立つ栄養素を摂ることはとても難しいため、それを補うことができる卵です。

Q2 卵の殻が白いものと赤いものがあるのはなぜでしょうか?
A:卵の殻の色の差は「鶏の種類」によるものです。一般的には羽毛の色が褐色或は黒っぽい色の鶏は褐色の色素プロトポルフィリンを分泌し赤玉を産み、羽毛の色が白い鶏は白玉を産みます。しかし最近では交配により「さくら色」などの卵が販売されています。又、アローカナという鶏種では薄緑色の殻の卵を産む鶏もいます。一般には赤玉のほうが白玉に比べ値段が高いようです。これは産卵個数が少ないことが原因していますが栄養の差はありません。

Q3 褐色の殻の卵には斑点が多いのはなぜですか?
A:卵殻への色素沈着は個体により差がある為です。1羽の鶏を追跡すると毎日(毎回)同じ様な斑点のものを産卵しており少しずつ個体により差が出ています。

 

※日本卵業協会参考